デジタルRIAAイコライザのOPアンプゲインをちゃんと計算してみた。

ちょっと時間が開いてしまったが放置プレイになっていたrev03c基板をようやく組み上げた。

上がrev01、下がrev03c

デジタルフォノイコライザー(新型)で製作したのはrev02b。

rev02bからの変更点は、DIPSWで初段OPアンプのゲイン切り替えが出来るようになり、MM/MCカートリッジの両カートリッジに本基板一枚で対応可能になったという事です。

カラクリは簡単で、初段OPアンプの帰還抵抗をDIPSWで切り替えることでゲインを切り替えている訳ですが、同時にMCカートリッジの場合、入力インピーダンスの切り替えも行っています。

早速rev01基板を載せ替えました。

この筐体には既にゲイン20dBのMCヘッドアンプが組み込まれているのでそのヘッドアンプを生かす事にし、DIPSWでは高出力カートリッジに対応する為に、ゲインを若干落とすように定数を選択しました。

基本的にはDL-103を常用するのでここはいぢらず、SL-Q6用に購入したAT85EPの出力電圧に対応するようにDIPSWでゲインを約2dB落とせるようにしてみました。

2dBの根拠は公称出力0.3mVのDL-103が20dBのヘッドアンプを使用して機嫌よく使用できているので公称出力3.5mVのAT85EPでは2dB落とせば十分だろうという感じです。

と、こんな感じで組んじゃったんですが。。
今まで問題ないからこんなんで、、という感じで組んできたのですが、果たして本当にゲインが適正なのかを計算してみました。

まず、ADCまでの入力ブロック。

ひでぇ絵ですみません(;^_^A

カートリッジ出力は、OPA1612でADCの入力レベルまで一気にゲインされ、OPA1632で差動化された後、PCM1804に入力されます。

PCM1804の入力信号レベルは、2.5Vを中心に0~5Vとなっていますが当然ながら電源電圧の縛りを受けますので計算は-1%=4.95Vで行いました。

計算は簡単、カートリッジの最大出力時にAD入力が5VppFS × 99% = 4.95Vppを超えないOPアンプゲインを計算するだけです。

しかし、計算は簡単なのですが、カートリッジの最大出力がどのくらいになるのかが全くワカリマセン。
ので、ネットで調べましたら、所有するレコードを片っ端から再生して最大出力の実測値を表にまとめて下さった方がおられます。しかも多くのカートリッジで!スバラシイ!興味ある方は「フォノカートリッジの最大出力電圧」でググって下さい。

その情報によりますと、DL-103で27~34mV(1:10昇圧込み)、高出力で有名なM44Gでは43~56mV、M44-7では67~86mVとなっており、カートリッジによってその最大出力は相当な幅がある事が判ります。

公称出力でもかなりの差がある訳ですが実測値というのは説得力がありますよね。

で、この数値より計算したDL-103使用時の初段OPアンプのゲイン許容値は最大33.3dBとなり、実際のゲイン36dBより更に低くしなければならない事が判りました。

そそそそ、そうなのかー、って感じですが、でもここはホントに難しいですね。他所から引っ張てきたデータを元にしての計算なので、いあいあ、うちのレコードもっとレベル高いし!って場合もあるし、逆もあるでしょうし。。
それにこれ、余裕を見すぎると滅多に無い大振幅の為に多くのビットが遊んでしまい、平均的な再生で実効ビット数が極端に減ってしまう事にもなりかねませんし。。
ただ、確実に言えることは、実際に使用するカートリッジの種類に応じて初段ゲインを最適化は必須というところでしょうか。


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